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YUTA OKUDA SOLO EXHIBITION “With Gratitude”

6月6日(日)から6月12日 (土) の期間中、アートプロジェクトプロデュース集団「WATOWA GALLERY」のプロデュースによる、アーティストYuta Okuda (奥田雄太)のソロエキシビジョン「With Gratitude」を elephant STUDIO にて開催いたします。

* エキシビジョンに関するお問い合わせは WATOWA GALLERY までご連絡ください。info@watowa.jp

 

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YUTA OKUDA SOLO EXHIBITION “With Gratitude”

  • 期間: 2021年6月6日(日)~2021年6月12日(土) 12:00-19:00
  • 会場 : elephant STUDIO 1F/ 2F 東京都渋谷区渋谷2-7-4

  • エントランスフィー:
  • ¥500から自身で金額を決定するドネーションシステム *500円をミニマムとし、入場料を自身で決定し、それが若手アーティスト支援のためのドネーショ ンとなるシステム。2021年12月に開催される未来を担う若手アーティストに発表の場を提供し、 サポートすることを目的としたアートコンペティションに寄付されます。

2021/06/10 (木) エントランス無料

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Yuta Okudaは1987年愛知県生まれ。日本とイギリスでファッションデザインを学び、その後アパレル企業にてファッションデザイナーを経験する。2016年に退社し、アーティストとして絵画制作などの活動をはじめた。

2021年現在、Yuta Okudaは「with gratitude」というテーマで主に「花」をモチーフに絵画を描いている。コロナ禍の今、当たり前だと思っていたことがそうではなくなったと感じたことをきっかけに、感謝の気持ちを一輪一輪に込めているそうだ。モチーフについては、「自己をサルベージする中でたどり着いた、幼少期の記憶がもととなっている」と語る。サルベージとは直訳すると救出、救助などを意味するが、自己を探究する姿勢をこの言葉で表現しているのであろう。「祖父が庭師だったこともあり、幼い頃から植物や生き物を描くことが自然だった」こと、また「生や死について考えるうちに、生態系の食物連鎖に思いをはせるようになり、そのはじまりが花であると思った」ことが関係しているようだ。今はまだ自己サルベージの過程と語るが、その中において表出し、このコロナ禍に選び取ったモチーフが「花」なのである。

その画面に目を向けると、まず目に入ってくるのは赤や⻩、金など、鮮やかな色彩である。しかし、 驚かされるのはそのマチエールだ。そこにあるのは絵具の物理的な偶然性によって生み出された不規則な凹凸であり、同時に、Yuta Okuda自身の手の痕跡、身体動作の結晶なのである。そこに細い線を描き足していくことでひとつひとつの花にしていくのだそうだ。近くでみると花びらは下を向いたり裏返ったりしているのだが、一見すると花々は正円に近い形態で、正面性が強く感じられる。また、背景や茎を直線的に描き、正円形の花々と組み合わせることによる平面構成的な画面も特徴だ。デザイナー出身のYuta Okudaならではの感覚から生み出されるのであろう。「花を描いてはいるが特定の花というわけではなく、花に見えなくてもいい」と語っていることがその裏付けになる。単に具象としての花を描いているわけではない。いくつもの記憶の中の視点のそれぞれを、平面という空間に交錯させているのである。そしてその交錯が、コロナ禍というきっかけで生み出された行為であることも忘れてはならない。

デジタル化やバーチャル化が発展し、現代人が忘却しかけている身体を感じさせ、また歴史的事件とも言えるコロナ禍をきっかけとした表現行為を目の当たりにすることは、大層意義深いと言えよう。さらには、土産物などの動物の置物にペイントをした作品も見どころのひとつだ。「リサイクルショップなどで価値がないとされているものに、自らがペイントすることで付加価値が生まれることに喜びを感じる」と言う。たしかに、どこにでもあったはずの置物が、Yuta Okudaのペイントによって鮮やかに生まれ変わっている。「立体を制作するのは展示をイメージするため」であるそうだが、それも自己サルベージの中でデザイナーを経験したことを肯定し、それが結果として空間デザインの欲求として表れたものであろう。

Yuta Okudaの自己サルベージは尽きることがない。ぜひこの機会にYuta Okuda「With Gratitude」の世界をお楽しみください。

 

 

YUTA OKUDA

当たり前だと思っていたことが、特別な出来事だったと気付き、感謝を作品にしたいと思いからʼwithgratitudeʼというテーマで、「花」を描いています。これまでは、無意識下に投影された⾃⾝のかけらを、“beautifulfoodchain”(美しき⾷物連鎖)というコンセプトのもと、花や⽣きものをモティーフとして視覚⾔語化し、再構築しており、⾃然の摂理の美しさを描くと同時に、美と醜、愛と憎しみ、⽣と死など相反するテーマを1枚の絵の中に表現していました。作品の表現⼿法はここ数年で、計算した線のみで構成された 細密画から、「偶然性」をテーマとした作品へと変化してきています。 具体的には、墨のにじみや、アクリル絵の具の混ざり具合から偶然に⽣まれた凹凸の中からアウトラインを抽出し、⽣き物や花を形取っていきます。現在は、個展やアートフェアなど国内外問わず積極的に作品を発表し続けている。

WATOWA GALLERY

WATOWA GALLERYは、現在の日本のストリートカルチャーやファッション、あるいは独創的かつ先進的なテクノロジーやジャパニーズフィロソフィーを取り入れた新しい感性を持つ若手の作家を中心に、アート・コミュニケーションの場を提供するアートプロジェクトプロデュース集団です。WATOWA GALLERYでは、アートがファッションのように親しみやすいカルチャーとなり、ひとりひとりのライフスタイルに溶け込む社会を拓くため、新しい感覚のエキシビションや、アートプロジェクトのプロデュース・演出を行い、アートに触れるタッチポイントを拡大します。現在も国内外で評価されている主要なアートムーブメントの多くは、ミュージアムの外で、そして多様なジャンルのアーティストと支援者との交流によって生まれています。わたしたちは特定のアートスペースを持たず、あらゆる空間をギャラリーと捉え、アートをミュージアムからコミュニティへ、都市へ、住空間へ開放し、ミュージアムの外からさまざまな分野のプロフェッショナルと横断的なアートプロジェクトを発信します。さらに、日本の若手アーティストの活躍と日本の若手コレクターの参入をサポートし、アーティストと支援者の交流を促進します。WATOWA GALLERYを媒介とした新しいコミュニケーションやコミュニティによって、次の時代のアートシー ンを創造し、市場の活性化を目指します。